ラットの脳で学習や記憶を担う海馬という部分に、「インスリン様成長因子(IGF)2」と呼ばれる小型たんぱく質を投与して増強すると、物忘れを抑える効果が少なくとも3週間続いたと、米の研究チームが1月27日付の英科学誌ネイチャーに発表したそうです。
人間の認知症や高齢化に伴う物忘れの程度を軽くする薬の開発につながるでしょうか?
IGF2は、膵臓で生み出され血糖値を下げるインスリンと構造が似ているそうですが、全身のさまざまな組織で合成され、成長や組織の修復に重要な役割を果たしているそうです。脳では特に海馬に多いが、年を取るにつれて減少するのだそうです。
研究チームは、記憶を調べるのによく使われる「恐怖条件付け試験」と呼ばれる方法で実験したそうです。これは、次のようなテストだそうです。
ラットは暗い場所を好みますが、飼育箱の暗い部分に入った際に足に弱い電気刺激を与えると、このことを覚えている限り、明るい部分からじっと動かなくなるそうです。
海馬でのIGF2合成量を調べると、電気刺激から20~36時間後に最も多く、記憶が時間の経過につれて固定されるとのこれまでの研究成果と一致しています。
そこで海馬にIGF2を注入して人為的に働きを強めると、注入しない場合に比べ、動かない時間が大幅に長い傾向が3週間後まで続いたそうです。
これは、わかりやすいです。人間にも利用できるような気がしてきました。
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